【極楽寺珈琲豆店】ドリップバッグコーヒー「極楽寺の散歩道」

コーヒーの概念を覆すこだわりの水研ぎ焙煎

赤いパッケージにリスのモチーフが目を引く、ドリップバッグコーヒー。鎌倉・極楽寺の坂の上にある「極楽寺珈琲豆店」がこだわりの製法で作っているコーヒー豆です。

一口目にびっくりするのは私だけではないはず。コーヒーの概念を覆す、その口当たりの丸さ、お茶のように癖のない味わいに雑味を徹底的に省いたという製法が明瞭になります。

同店がこだわるのは「水研ぎ焙煎」という聞きなれない製法です。

輸入された生豆には、最高品質のものでも小さな石などが混じっていたり、土埃などで汚れていたりするそうです。さらに、生豆の表面には雑味の原因となるシルバースキンと呼ばれる薄皮(渋皮)が付いているため、それらをきれいに除去してから焙煎するのが「水研ぎ焙煎」をいう手法です。

水研ぎ焙煎は賛否両論ありますが、オーナーの磯崎智一さんみどりさんご夫妻が香味や衛生面の向上など独自の研究を重ね、「香味を損なうことなくまろやかでクリア、雑味のない抜群の切れ味」のコーヒーにたどり着いたのです。

オーナー夫妻が手間を惜しまず自信をもって提供する味

そもそもは広島県の喫茶店で「あまりにも美味しく衝撃を受けた」というネルドリップコーヒーを飲んだことから、コーヒーの世界に開眼したという智一さん。三重県まで焙煎方法を学びに行った際、初めて水研ぎ焙煎という製法を知ったそうです。

水研ぎ焙煎はとても手間がかかりますが、ご夫妻はその手間を惜しみません。

手作業で一つひとつ異物を取り除き、手際よく水で研ぎ、土埃やシルバースキンを洗い流します。

その後素早く乾燥を行い、焙煎。

焙煎中も付きっきりで温度や時間を管理し、豆本来の味を活かした中深煎りに仕上げます。

焙煎したコーヒー豆は気密容器に移した後、脱酸素剤を封入して出来る限り酸素を除去し、一定の温度で管理して品質を保っています。

この一連の作業工程は流れるように進んでいき、まるで一点の曇りもないようなコーヒーが出来上がります。

▲水が透明になるまで、手際よく研いでいきます。

▲雑味の原因となる土埃や薄皮が除去され、美しくなった生豆。

現在は極楽寺珈琲豆店の味を知り、気に入ってくれたリピーターの方が増えたといいます。みどりさんは「コーヒーは生産国も含め様々な種類がありますが、わたしたちが美味しいと思ったものをご提供しています」と自信を持って語ります。コーヒーが日常生活に不可欠となっている人にこそ、ぜひ極楽寺珈琲豆店の味を知ってほしいと思います。

冷めても美味しいコーヒーに初めて出合った私のように、これまでのコーヒータイムの世界観が変わるかもしれません。

パッケージから浮かぶ、鎌倉・極楽寺の情景

観光地から少し歩けば、すぐに人込みの喧騒から離れられる鎌倉。「極楽寺珈琲豆店」もそのひとつの場所であり、いつ訪れても静かに美しく、脳裏に刻まれます。お庭には草花が伸びやかに咲き、鳥がつがいで遊びに来たり、蜂が羽音を立てたりして一日中賑わせています。

鎌倉を散策するとしばしば遭遇するリスをモチーフに、コーヒーの実と葉をあしらったパッケージの絵柄は、磯崎ご夫妻のお友だちがデザインしたそうです。キッチンのインテリアにもなりそうな存在感に、思わず手を伸ばしてしまいます。

これからはアイスコーヒーの季節。このドリップバッグでは60㏄のお湯で落とし、氷6個くらいで飲むのがおススメです。

▲緑に囲まれた極楽寺珈琲豆店。喧騒を忘れさせてくれます。