【湘南・藤沢】老舗店「丸寿」の和菓子

藤沢市羽鳥で和菓子店老舗として70余年の「御菓子処　丸寿(まるす)」

創作のテーマは「季果彩心」（季節の和菓子が心を彩る）。素材にこだわり、手作りならではの美味しさを大切にしている同店。
時代がどれほど移り変わっても、季節のお菓子を目にすると安心するお客様は多いのではないでしょうか。

戦後すぐに創業した店舗を現在切り盛りするのは三代目の岡崎秀一さん(=上写真左)。「創業当時からすべて無添加のお菓子を手作りしていることは変わりません。ご縁があって、地元の食材を取り入れたお菓子も増えましたね」（岡崎さん）。

その日のうちにいただく生菓子（「朝生」）は朝食前に製造。朝6時から二時間かけて出来上がります。「無添加で、その日のうちにしか食べられない美味しさを楽しんでいただけたらと思います」（同）。

地元・大庭城をモチーフにした「大庭城最中」

神奈川県指定銘菓や藤沢名産推奨品にも選ばれている「大庭城最中」は、安定した人気を誇る一品。
平安時代後期に活躍した相模国の武将、大庭景親にゆかりのある「大庭城」をモチーフにしています。

城をかたどった皮に、独自の製法で丹念に練り上げた北海道産の大粒小豆がたっぷりと詰められています。
皮は有機栽培のもち米100％でじっくりと焼き上げた「焦がし皮」。上あごに張り付かないので食べやすく、ぱりぱりとした香ばしさが特徴です。
ほっとするやさしい甘さの餡は、地元ならではのお土産に喜ばれる同店の看板商品となっています。

▲同店から車で4分程度に位置する「大庭城址公園」。敷地内では現在も堀跡や土塁跡といった遺跡が確認できます。地元では小学校や幼稚園の遠足で訪れた思い出を持つ方も多く、花見の名所としても親しまれています。

さわやかな香りに包まれる湘南ゴールド大福

神奈川県が12年かけて開発を重ね、湘南を代表する柑橘となった湘南ゴールド。温州みかんとゴールデンオレンジの交配で生まれました。甘さと酸味のあるグレープフルーツのようにたっぷりとした果汁、さわやかな色と香りは初夏の訪れを告げているかのようです。

湘南ゴールドは無農薬栽培で育てられた小田原のあきさわ農園から、小ぶりの果実を毎年900～1200個ほどを入荷。大福は一気に製造し、冷凍庫に保存されます。

果実をやわらかい羽二重餅と白餡でうっすらと包んだ、食べ応えのある大福は、季節限定商品の中でも人気が高い商品のひとつ。果実はひと房ずついただくのがおススメです。

※3月～8月くらいまでの季節限定の販売（なくなり次第終了）

定番のどらやきから、変わり種の湘南しらす入りも

一枚一枚を平らな銅板の上で焼き上げる生地は弾力があり、粒が残った感じが特徴の小倉餡まですべて手作り。

なかでも個性的な湘南の名産であるしらすを生地に入れたというどら焼きは、「決してウケ狙いではなく、真摯に向き合った」といいます。鵠沼の堀川網から取れたての新鮮なしらすをすぐに冷凍して皮に練りこみ、試行錯誤を重ねた結果、白餡とのバランスが一番しっくりとくる味だったとのこと。開封すると潮の香りがふんわり、たっぷりとしらすが入っています。

和菓子を凍らせた新感覚の氷菓「湘南葛氷」 ※夏限定商品

凍ったままだとアイスキャンディー、解凍すれば和菓子としていただけるなんとも不思議な「湘南葛氷」。溶けても流れず、ベタつかず、葛のぷるぷるとした触感を楽しめます。爽やかな柑橘「湘南ゴールド」、定番の「抹茶小豆」、季節限定味（藤稔、苺のいずれか）の3種。自然な色合いは無添加だからこそ。

とことこ暮らし編集部でも大人気の氷菓です！